こんにちは。マウスの持ち方の人です。
今回は巷でたまに話題になる”彼ら”マウスの持ち方の本質に迫っていきたいと思います。
彼らとは
- ta1yo
- ZywOo
- Stewie2k
- Twistzz
- Suggest
のこと。
他にもいるかとは思いますが、このプレイヤーたちは少しクセの強い持ち方をしています。
「第一次マウス軽量化革命」真っただ中の2020年代初頭の今日において、マウスの重さに振り回されないことが大きなメリットであるかぶせ持ちは廃れつつあり(主観)、指先の操作感などを活かしやすいつかみ持ちが覇権をとっています。
しかしそんな時代の中で、かなり深く持ち大きくかぶせる、マウスに乗り上げるような持ち方をする男たちがいる。
時代にあらがい、常識をくつがえす。そんな彼らの持ち方の名は ”リバース持ち”
マウスの持ち方理論の新しい扉を開いていきます。
というわけでとりあえず、解説の方に移っていきましょう!
※2022/7/27
Imperialhalを削除しました。
オフライン大会の開催等で参考になる画像や動画が増え、リバース持ちに該当しないであろうとの判断をしました。
リバース持ちの持ち方とは
説明よりもまずは写真を、ということで私の場合のリバース持ちの持ち方はこちら



大きな特徴としては次の通りです。
- マウスに大きく乗り上げた手のひら
- マウスをつかみ取るような指の配置
- 机の角に当てた腕(手首)
- 浮き気味の手首
- 比較的高い位置を捉えた親指
これらは裏返りによる結果として、表出している特徴になると思われます。
特に手のひら右側をマウスに乗せるようにして密着させています。
各選手の持ち方
次にこれらの特徴を踏まえたうえで各選手の持ち方を紹介していきましょう。
持ち方がクローズアップされた情報は限られており、詳細まで確認できないことも多いです。
しかし本質部分を理解することで、同じ性質の持ち方を再現することは可能だと考えます。
ta1yo
日本が誇るOWリーガーですね。
今は契約満了に伴い、日本に帰ってきているようです。
ZywOo
フランスのCS:GOのトッププロ。年間のプレイヤーランキングで1位も獲得しています。
2分ごろ、斜め前からのアングルで、手のひらが乗り上げているのが確認できますね。
Stewie2k
Team LiquidのCS:GO部門に所属しているプロプレイヤー。
動画では少し分かりにくいですが、こちらのサイトに掲載の画像でしっかり確認できます。
Twistzz
カナダのCS:GOトッププロ。所属チームはFaze。
ESL One New York 2018 MVPを受賞しています。
Suggest
韓国のValorantプロプレイヤー。NUTURN Gamingに所属していましたが、現在は未所属。
ツイッターにて分かりやすいアングルの動画が上がっています。
感度やデバイス
プレイヤー | 180°感度(目安) | マウス | マウスパッド |
ta1yo | 23cm | OUTSET AX G | Esports Tiger LingYun |
ZywOo | 27cm | OUTSET AX G | Corsair MM350 |
Stewie2k | 23cm | SteelSeries SENSEI [RAW] | SteelSeries QcK Edge |
Twistzz | 35cm | SteelSeries prime | SteelSeries QcK Heavy |
Suggest | 27cm | G PRO ワイヤレス | X-raypad Aqua Control+ |
何が裏返っているのか?
その前にマウスの持ち方の大前提を
まずは裏返りとは何を言っているんだ?という説明の前にマウスを持つということの大前提を。
物を持つということは、つまりそのものが動かないように固定するという要素が必ず入ってきます。
つまりマウスを動かす前段階として、マウスが手の中で遊ばないように固定しているということですね。
そして、マウスの固定ができたうえで、初めてマウスを操作することができるのです。
このことに関してはnote「マウスの持ち方の教科書」で詳しく紹介しています。※唯一の有料記事です。
固定と操作の裏返し
マウスの固定に関しては手のひらをマウスに付ける人は、手のひらでマウスの固定(加えて親指・薬指・小指)を行っている人が大半です。
平たく言えば、
「マウスをしっかりと持つために手のひらをつけている」
「指だけで持つと、マウスがブレる」
マウスに手のひらをつけることで、マウスとの接地面が増え、指よりも大きな力を生みやすいことも作用して、簡単にマウスを固定できるのです。
そして指を活かしてマウスを操作する感覚となる。
この感覚を持っている方がそれなりに多い(多数派)と推測しています。
(親指や小指に関しては「固定のため」と「操作のため」、両方の役割を担っているケースが多いです)
しかしこのリバース持ちは違います。
裏返りとは、この操作部分と固定部分の逆転を指しているのです。

指の使い方
それでは指の使い方を、裏返ったという視点をもって見ていきましょう。
マウスを掴み取るような指の配置、 Twistzz選手やSuggest選手に見られる人差し指が左クリックからはみ出そうになっているのも特徴の一つですね。
これも操作するという観点からすると不思議に思えるかもしれませんが、マウスを固定し持ち上げやすい形になっている、と見ると納得がいくのではないでしょうか。
もちろん、手のひらをしっかりマウスに乗せるために深く持つことで、単純にはみ出しているという点もあります。
しかしそれでも指を操作感覚の主導には使わないので、問題がないのです。
薬指、小指に関しても操作感を伝えるためではなく、マウスを支えるという目でみることでしっくりくるのではないでしょうか。
通常では固定するために使っている手のひらを、上に乗せることで操作に割いているため、指である程度は固定する必要があるのです。
ただし、手のひらとマウスの接地面積が大きくとれているために、マウスがブレることは少なく、指はベクトルがあっていれば軽い支え程度の固定でも十分になるかと思います。
逆にLazさんの持ち方のような”なぞり持ち”に見られる「(人差し)指で操作するということを意識した持ち方にする必要がない」とも言えます。
腕の使い方
このリバース持ちでは、腕を大きく使うことが多いように見受けられますね。
それは、指先ほど繊細で細やかな操作が難しい手のひらを主導としてエイムする形となっているため、腕エイム主軸による低めの感度が適しているからだと推測できます。
実際、先に掲載した感度も全員が低めのセンシとなっています。
手のひらの大きめな動作でのマウス操作感のために、マウスを操作するスケールが大きくなっており、その結果として感度が低くなっているのです。
「指先をちょっと動かす」のと「手のひらをちょっと動かす」のとでは単純に「ちょっと」のスケール感が違いますよね。
漠然とした表現にはなりますが、繊細さというよりは、安定感あるしっかりとしたエイム、というタイプです。
机の角に腕を当てるメリット
リバース持ちでは机の角に腕を当てて構えているプレイヤーが多いです。
これは腕を支点にして安定して弧を描くため、という目的もあるかと思いますが、他のメリットもあります。
リバース持ちの特徴として、手のひらをマウスに乗せているために、手のひらが肘と同じくらいの高さにあると、操作を主導しなければならない手のひらに腕の重さが乗ってしまいます。
操作したい部分で腕の重さを支えると、当然スムーズな操作ができません。
しかし、肘をしっかりと落として、手のひらよりも低い位置にすることで、机との接点が生まれて腕の重さをそこで支えることができるのです。

InperialHal選手は比較的手首に近い位置を机の角に当てていますが、これでも十分に効果があるでしょう。
また、この理屈はリバース持ちに限らず、どの持ち方にも言えることです。
自然とそうなっている人も多いかと思いますが、できていない人は一度試してみる価値があると思います。
ただし、腕を机角にしっかりと当てる配置では、前腕のどこかが支点となるのでその支点が肘から遠くなればなるほど、マウスを動かした分だけ肘が動きます。
肘をしっかりと固定した方がエイムが安定するタイプの人には相性が△かもしれないですね。
(4スタンス理論ではAタイプは肘を固定した方が安定すると言われています。)
4スタンス理論で向いているタイプは?
当ブログでもマウスの持ち方と深く関連させて紹介している4スタンス理論ですが、今回紹介したリバース持ちについて適しているタイプはB2タイプだと思われます。
B2が適しているという理由は大きく4点。
- 手のひらの小指側、というB2が感覚を重視する点を操作の主導部としていること。
- 指先の感覚を重要視していない持ち方になっていること。
- 手首の角度が掌屈することで動作が安定するのはクロスタイプ(A1、B2)の特徴であること。
- 肘が大きく動いても手の動作が安定しやすいタイプであること。
手首の掌屈とはこちら左側の向きに曲がっている状態です。

また、紹介したプロプレイヤーたちが総じて脇を大きく広げている点もBタイプの特徴として挙げられますね。
脇を広げるとAタイプであれば、安定しづらくなるという方も多いです。
またこちらの動画で、ZYWOO選手がサインを書く際(5分48秒あたり)に、パッドなどを斜めにしていますね。
クロスタイプ(A1、B2)の人がやりがちな傾向にあるので、これもB2タイプ向きであることのヒントになっているかと思います。
4スタンス理論についてはこちらで詳しく紹介しています。
おすすめのマウスは?
このリバース持ちに適しているマウスは
マウス後部が手のひらにしっかりとフィットする形状だと思います。
その観点からするとこれらのマウスになってくるでしょう。
一つは SteelSeries prime
何よりも手の平を乗せるのに最適な形状です。
もう一つはVaxee OUTSET AX G
こちらも盛り上がりがしっかりとあり、重量も76gと抑えられているので相性◎ですね。

おすすめのマウスパッドは?
手のひらの感覚は、指先よりもスケールが大きくなります。
そのため、コントロール系のマウスパッドの方が相性がいいですね。
Logicool G640rは安価で入手も容易、優秀なコントロール系のマウスパッドです。
コントロール系といえばQckHeavyシリーズですが、個人的にはそれならこちらの方がオススメ。
ARTISAN 零!Qckの弱点の湿気を克服し、操作性も抜群のお気に入りマウスパッドです。
ARTISANのマウスパッドは硬さを選べるのですが、垂直圧のかかりにくいリバース持ちでコントロールを高めるならSOFTが相性いいでしょう。
まとめ
今回は、不思議な持ち方・リバース持ちの解説をしました。
人を選ぶ持ち方かもしれませんが、実績ありまくりの可能性がある持ち方です。
この観点で分析して日が浅いので、まだまだ内容についてはアップデートの余地があると思っていますので、気づきが増え次第、随時更新していきます!
- 手のひらを大きくマウスに乗せて、手首を浮かせる。
- 手のひらの感覚を活かしてエイム!
- 大きな感覚での動作になるので、感度は低め、マウスパッドはコントロール系が◎!
- 指先はマウスがブレないように固定のサポート!
それでは次の記事で!
コメント
imperialhal選手は動画を見る限り親指を伸ばしてるんですね。上手い方は皆曲げてるイメージがあったので意外でした。
インペリアルハルの綴りミスってます
inperial→imperial
ご指摘ありがとうございます!
修正させていただきました。
ふざけて最悪な姿勢でFPSやったとき(思いっきり背もたれにもたれかかる形)自然とこんなマウスの持ち方になってたらしくとんでもなくエイムが良かった記憶があります。
この記事を見て持ち方を見直したところ、当時のなんとなくの感覚が確かなものになりました。個人的には大きい瓶のふたを回すのをイメージで手首を動かすと水平方向のトラッキングがかなりやりやすく、気に入ってます。
この持ち方でやってます
いままで普通の掴み持ちだと思ってたのですが、まさかマイナー持ちだったとは…!
自分含め、手首でエイムする感覚の人が多いのでしょうね
追記
因みに、この持ち方は個人的な見解ですがS2やTa1yoさんが使ってるNP01みたいなシェイプのマウスがオススメだと思っています!
いつもインペリアルハル選手の配信を見たいますが、この記事の説明だとちょっと違和感がある操作をしていると思います。
指先のみでマウスは掴み、”操作の要”の手の平は浮かし手首付近を机角で支えてるようにしか見えないんですよね。
挙動が”リバース持ち”では出来ない動きをしていると思いました。
インペリアルハル選手の配信をいつも見ています。
このリバース持ちの説明で上がってますが彼は違うのでは?と思いました。
手首腕付近を机の角にはつけていますが手のひらは接触していなく、指先で細かな操作をしてるようです。
なので、手のひらと指先のみで裏返りではないと思うのですが。
コメントしても反映されませんでした。確認お願いします。
ご指摘ありがとうございます。
私が確認した手元の中であいまいなものも多く、たしかに指先で制御している面も見受けられていました。
リバース持ちの中で縦の動作時にマウスと手のひらを離す挙動(小指下へマウスを引き込む動作)を再現しているものもあると推測しておりますが、確信的ではありません。
記載内容について改めて検討させていただきます。
大変恐縮ですが、手元の挙動が明確に確認できる資料があればTwitterDM等でお知らせいただけると大変うれしいです。
ご意見、本当にありがとうございます。
手汗で困ってる人にもおすすめ
Valoのmunchkinもリバース持ちです
I’m interested in your opinion about the “scorpion” grip that uses tenz